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盤面の敵 [エラリー・クイーン]

毎日暑いですね(;^ω^)
しばらく更新していないこのブログも、少しイメチェン[NEW]

さて。
先週、Yuseumは少しばかり実家に帰省していたのですが、上の妹あろまに北村薫さんの 『ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件』 を薦めたら面白かったみたいで、エラリー・クイーンにも興味を持ったようd(^-^)
そこで、実家の本棚にクイーンの本がないか探してみると、この前プレゼントした 『オランダ』 『エジプト』 (の旧版w)の他に、↓の本[本]もあったので、それらをあろまに薦めておいたのですが。。。

盤面の敵 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-7)

盤面の敵 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-7)

  • 作者: エラリイ・クイーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1977/11
  • メディア: 文庫

はて?
中期の代表作をすっ飛ばして、こんなクイーン最後期の作品を国名シリーズと一緒に薦めたら、混乱するんじゃないかしら(@_@;)
(一応、 「エラリー・クイーン パーフェクトガイド (ぶんか社文庫)」 には「読んでほしい順」の上の方にあったが。。。)
そもそも、どんな作品だったっけ[爆弾]
かなり[ぴかぴか(新しい)]「神秘的」[ぴかぴか(新しい)]なイメージが残っているんだけど・・・。

ということで、自宅[家]に帰ったYuseumは自分の本棚から 『盤面の敵』 を取り出し、再読してみることにφ(゚Д゚ )

四つの奇怪な城と庭園から成るヨーク館で発生した残虐な殺人—
富豪の莫大な遺産の相続権を持つ甥のロバートが、花崗岩のブロックで殺害された。殺人の方法も奇抜ではあるが、以前からヨーク館には犯人からとおぼしき奇妙なカードが送られてきたのだ!
果たして犯人の真の目的は?
父親から事件の詳細を聞くや、俄然気負いたったエラリーだったが。。。

この作品。
「実行犯」は最初から読者の目に晒されています。
しかしながら、その実行犯は単なるチェスの駒に過ぎません。

原題"The Player on The Other Side"の示すとおり、この作品には「実行犯」という駒を操るYという人物が存在し、エラリーは盤面の向こう側にいるYと対峙することになるのです。
果たしてYとは何者なのか???
(なお、ハヤカワ文庫では「エラリイ」なのですが、ここでは「エラリー」で通します( ´-`))

思っていたよりは「神秘的」ではなかったけれど・・・、やっぱり神秘的かな?
(なんのこっちゃ(^_^;)\(・_・) オイオイ)
この作品のプロット自体は、現在ではさほど目新しいものではないので、読んでいけばYが誰かは分かると思いますが。。。
「犯人からとおぼしき奇妙なカード」の意味するところが分かる人は、そうそういないのでは(;><)
もちろん、その意味するところは分からなくても、さすがは(作家)エラリー・クイーン。
ちゃんと物的証拠に基づいて、「YはXXXである。」と示してはいるので、論理的にYが何者かを導き出すのは可能なのですが。。。
・・・でも、Yが誰かは分かると思いますが、Yの正体については・・・
(とお茶を濁す( ´・ω・`)_且~~ イカガ?)

ところで、作家エラリー・クイーンが従兄弟同士であるダネイとリーの合作ペンネームであることは、周知の通りですが、この作品が書かれた頃は、小説化担当のリーがスランプに陥っていたのです(゚Д゚)!
この作品のプロットを考えたのはダネイなのですが、実際に小説化を行ったのはリーではなく、シオドア・スタージョン。
シオドア・スタージョンといえば、近年再評価が著しい一流のSF作家。
最近でも、以下のような作品が文庫化されています。

海を失った男 (河出文庫)

海を失った男 (河出文庫)

  • 作者: シオドア スタージョン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/04/04
  • メディア: 文庫
不思議のひと触れ (河出文庫)

不思議のひと触れ (河出文庫)

  • 作者: シオドア・スタージョン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2009/08/04
  • メディア: 文庫

日本で再評価のきっかけになった 『海を失った男』の単行本をYuseumも読んだことがあるのですが、 『盤面の敵』 が神秘的なのもスタージョンの筆に依るところが大きいからかもしれません。
リーの代わりに代筆された作品は、最後期の作品にいくつか見られますが、ダネイとスタージョンが組んだ作品はこれ1作のみですので、スタージョン・ファンの方も必読かも[exclamation&question]

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コメント 6

ecco

あれ。。
ドルリーレーン最後の事件ってのとはちがうんだっけ??

あれれ。
なんかわかんなくなっちゃった!
by ecco (2009-08-17 21:42) 

チヨロギ

スキンの雰囲気がガラッと変わりましたね。かわいいですv
「神秘的」の意味するところが気になるなぁ(>▽<)
by チヨロギ (2009-08-19 00:37) 

nisemi

またまたご無沙汰しております…!m(_ _)m
Yuseumさんの『オランダ靴』の記事を拝見して「おお、再読せねば!」と思い、再読したらトラバを、と思っているうちにまたすっかり時間がたってしまい…。
そうこうしているうちにまた新たなクイーン記事がアップされてしまいましたので、こちらにコメントを付けさせていただきました。(*^^*)
『盤面の敵』、この作品も良いですよね。私は大好きです。この作品のイントロのクイーン父子のやりとりと、『ニッポン硬貨』のイントロはよく似ていると思います。
現代だとトリックとかはめずらしくないのかもしれませんが、この作品がスタージョンの代作と知って、この文章にめろめろになり、その後スタージョンも大ファンになりました。そんな思い出の1冊です。

by nisemi (2009-08-21 18:39) 

nisemi

申し訳ありません、再びにせみです。(>_<;;)
トラバを2回も送ってしまったようです。一つ削除していただけますか。お手数をおかけいたします。
by nisemi (2009-08-21 18:47) 

sara

お盆を過ぎたら、すっかり秋の風、という感じの宮城です。
涼しいので読書も楽です。ちょっぴり大人買いしたりして〜♪
関東以西は、まだまだ暑いのでしょうね。夏バテされませんように。
by sara (2009-08-21 23:54) 

Yuseum

>eccoさん、『ドルリイ・レーン最後の事件』はクイーンがバーナビー・ロス名義で書いた作品の最後の事件です[ぴかっ]

>チヨロギさん、「読書」スキンを選んだら、思っていたより可愛らしいスキンになっちゃいました(^^ゞ
「神秘的」とは文字通り・・・w

>nisemiさん、確かに『盤面の敵』を読み返したら『ニッポン硬貨〜』の冒頭と雰囲気が同じでびっくりしてしまいましたf^_^;
スタージョンもなかなかいいですよね〜。

>saraさん、横浜はまだまだ暑いですが、ほんのり秋を感じることも徐々に増えてきましたよ[はーと]
by Yuseum (2009-08-23 15:51) 

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