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クリスマスと人形 [エラリー・クイーン]

最近、すっかり文庫では「クラシック・ミステリ」の新刊を出してくれなくなった早川書房さんですが(-Φ-)
メールマガジン「ハヤカワ・オンライン・ニュース」で連載中の世界ミステリ短篇講座が面白いです(._.)φ
毎回、新旧のミステリ短編を1本推薦紹介しているのですが、vol.087(2009.11.30)に掲載の第12講、
「クリスマスにはクリステ・・・じゃないか」
で紹介されたのが、『クリスマスと人形』The Dauphin's Doll

この作品が収録されている短編集は、エラリー・クイーンの「犯罪カレンダー <7月~12月>」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(まあ、ハヤカワは「エラリイ」なんですけど(^◇^;))
本作では、「ルパンの伝統をひいた」神出鬼没の怪盗コーマスが、ニューヨークのデパートに展示予定の「フランス皇太子人形 The Dauphin's Doll」を盗むことを予告するわけですが、この「フランス皇太子人形」に49カラットのダイヤが嵌めこまれていると聞いて、エラリイが、
「というと、≪ホープ・ダイヤ≫だとか、≪南アフリカの星≫より大きいのか!」
と興奮するシーンがあるのです。

で、先に紹介したメルマガでは、このエラリイの発言の後半は「間違い」であることを、ユーモラスに指摘しています。
以下、ちょっと長いですが抜粋してみましょう。

なお、下の図はWikipediaより「ホープ・ダイヤ」

 49カラット!

 重さにして9.8グラム。

 意外に小さいな。

 アバウトな計算で直径23.5ミリ。

 でかい……のか?

 当時世界最大のダイヤは、ロンドン塔にある「偉大なアフリカの星」

 大きさは、530.20カラット。

 かの有名な呪いのダイヤこと「ホープ・ダイヤ」

 これが45.50カラット。

 なんか、よくわからなくなってきたな。

 現金のほうがいいや。

 人形の価値は11万ドルだと。

 1100万円くらい?

 いやいや。

 この短篇が書かれたのは1948年じゃ。

 昭和23年。

 1ドルが360円の時代じゃ。

 当時の換算レートで3960万円になる。

 1945年の日本の国家予算が230億円。

 そのころ、日本ではハガキが2円。

 国鉄(今のJRのことじゃ)が初乗り3円から。

 週刊誌が10円くらいの時代じゃ。

 週刊誌が369万冊買える。

 今だと……12億9150万円かかる。

 おお、けっこうすごい!

ちなみに、「南アフリカの星」はこちら↓( http://www.diamonds11.com/ より)

まあ、ダイヤの話はこのくらいにして(^^ゞ、Yuseum、実は短編集「犯罪カレンダー」を1〜7月までしか読んでいなかったので、早速読みました[本]

でも、このタイトル。どっかで聞いたような・・・と思っていたら、この↓アンソロジーにも掲載されていたんですね(;・∀・)
密室殺人傑作選 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

密室殺人傑作選 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: ハンス・ステファン サンテッスン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 文庫
ただ、殺人事件は起きませんよ。(このアンソロジーの原題は"The Locked Room Reader"なので、「殺人」とは限らないのです。)
なんといっても本作はクリスマス・ストーリーですからね[クリスマス]

ということで、
「クリスマスにはクリスティもいいけど、クイーンもね(^_-)-☆」
でした。


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コメント 2

nisemi

Yuseumさん、こんばんは!
『クリスマスと人形』、大好きなんです。(´∇`)
『犯罪カレンダー』はニッキイが登場するということは、元々ラジオ・ドラマだったんですか? そのせいか、軽めで読みやすいお話が多いですよね。(そしてエラリイが長編より明るくて人柄がいいような気がします…(笑)。)
冬(真夏もなんですが)近づいてくると『九尾の猫』がなぜだか読みたくなるのですが、『犯罪カレンダー』も久しぶりに読みたくなりました。

来年は待ちに待ったTVドラマの『エラリー・クイーン』もついにDVD化されるらしいですので、日本でも発売されるといいですね~v
by nisemi (2009-12-02 21:32) 

Yuseum

にせみさん、DVDは楽しみですね〜。
(日本でも発売されるか?)
そうそう、ラジオ・ドラマ由来みたいです。文庫版の解説にも、あと今回取り上げたメルマガにも、そう書かれていました。
by Yuseum (2009-12-02 22:07) 

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