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シャーロック・ホームズの栄冠 [ホームズ&ライヴァルたち]

最近、少し気分が塞ぎがちのYuseum(´ε`;)ウーン…
こういう時は、少し楽しげな本[本]を読もう、と思って、取り出したのがこれ↓
シャーロック・ホームズの栄冠 (論創海外ミステリ)

シャーロック・ホームズの栄冠 (論創海外ミステリ)

  • 作者: A.A.ミルン
  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本
これ、パロディ&パスティーシュ集なんですね。
ホームズを題材にして、海外の様々な方々が様々な「模倣作」(パスティーシュ)やパロディを書いています。
そういう短編を集めた作品集には、エラリー・クイーンが編纂した「シャーロック・ホームズの災難」(残念ながら、上下巻とも絶版中(×_×))というのがありますが、こちらはシャーロッキアンとして著名な北原尚彦さんが編纂しています。

第I部 王道篇
『一等車の秘密』The Adventure of the First-Class Carriage(ロナルド・A・ノックス)
作者のノックスは『陸橋殺人事件』で有名ですが、、、Yuseum、『陸橋〜』はあまり面白いと思わなかったので(;´∀`)
で、本作は確かに王道スタイルですが、なんかイマイチ面白みがないというか(ーー;)
陸橋殺人事件 (創元推理文庫 (172‐1))

陸橋殺人事件 (創元推理文庫 (172‐1))

  • 作者: ロナルド・A・ノックス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1982/10/29
  • メディア: 文庫
『ワトスン博士の友人』Dr. Watson's Friend(E・C・ベントリー)
『トレント最後の事件』の作者です。
(確か、『〜最後の事件』が最初の作品だったかな?)
王道篇に入ってはいますが、本作は軽い読み物でした。
トレント最後の事件 (創元推理文庫)

トレント最後の事件 (創元推理文庫)

  • 作者: E.C.ベントリー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1993/01
  • メディア: 文庫
『おばけオオカミ事件』The Adventure of the Bogle-Wolf(アントニー・バウチャー)
作者はどちらかと言えば、ミステリー評論家として有名。
でも、こんな↓作品も書いています。
本作は、ある童話を推理したところ、・・・となり、ホームズの普段の口癖がここでも実証されていますw
タイムマシンの殺人 (ダーク・ファンタジー・コレクション)

タイムマシンの殺人 (ダーク・ファンタジー・コレクション)

  • 作者: アントニー バウチャー
  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
『ボー・ピープのヒツジ失踪事件』The Tale of "Little Bo-Peep" as Conan Doyle Would Have Written It(アントニー・バークリー)
バークリーはこのブログで何回も紹介しているので、著作紹介は割愛(^_-)
これは、マザーグースの『ボー・ピープ』を知らないと、最後の切れ味はなかなか伝わらないですね。
もちろん、注釈はありますが、もともとこれを知っていれば、にやりとする作品。

『シャーロックの強奪』The Rape of Sherlock: Being the Only True Version of Holmes's Adventures(A・A・ミルン)
ミルンは「くまのプーさん」の作者として知られていますが、下↓のような微笑ましいミステリも書いています。
本作はショートショート程度の長さですが、、、よく分からんσ(^◇^;)
赤い館の秘密 (創元推理文庫 (116-1))

赤い館の秘密 (創元推理文庫 (116-1))

  • 作者: A.A.ミルン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1959/05
  • メディア: 文庫
『真説シャーロック・ホームズの生還』The Return of Sherlock Holmes(ロード・ワトスン(E・F・ベンスン&ユースタス・H・マイルズ)
作者はあまり知りませんが、E・F・ベンスンは怪奇小説作家として有名。
本作はワトスン卿(ロード・ワトスン)が記載した、という形をとっています。
シャーロック・ホームズがライヘンバッハの滝で行方不明になり、その後復活したのは有名な話ですが、本作はその復活直前(つまり、まだ世間ではホームズが死んだ、と思われていた頃)に書かれたもののようです。

『第二の収穫』The Adventure of the Second Swag(ロバート・バー)
作者は、ウジェーヌ・ヴァルモンというフランス人探偵を生み出したロバート・バー。
最近、以下の短編集が出ましたね\(^O^)/
本作は、、、いやぁ後味がブラックですね〜(O_O)
ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利

ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利

  • 作者: ロバート・バー
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2010/10/26
  • メディア: 単行本

第II部 もどき篇
『南洋スープ会社事件』The South Sea Soup Co.(ロス・マクドナルド)
あのロス・マクが若い頃に書いたホームズ・パロディです。
ただ、若気の至りのようで、出来はイマイチ・・・(^◇^;)
さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)

さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)

  • 作者: ロス・マクドナルド
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1976/09
  • メディア: 文庫
『ステイトリー・ホームズの冒険』Her Last Bow, or An Adventure of Stately Holmes
『ステイトリー・ホームズの新冒険』Another Adventure of Stately Holmes
『ステイトリー・ホームズと金属箱事件』Stately Holmes...and the Box(アーサー・ポージス)
これらはよくできたホームズ・パロディですよ。
ホームズだけでなく、他の有名探偵も出てきますし。
なお、この順番に読み進めることをオススメします!
最初2つは、「一応」密室物です(笑)被害者もスゴイです(大笑)
3つめは、確かにこの機会でないと永遠に訳されなかったであろう、作品(苦笑)
作者ポージスは、日本でも最近再評価されてきているのかな?
八一三号車室にて

八一三号車室にて

  • 作者: アーサー ポージス
  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 単行本
『まだらの手』The Freckled Hand
『四十四のサイン』The Sign of Forty Four(ピーター・トッド)
元ネタはそれぞれ『まだらの紐』、『四つのサイン(四つの署名)』
いずれもドタバタ・パロディです。

第III部 語られざる事件篇
『疲労した船長の事件』The Adventure of the Tired Captain(アラン・ウィルスン)
「語られざる事件」とは、シャーロック・ホームズ正典中に事件の名前のみ挙げられている事件。
どういう事件だろうということで、様々な方々がパスティーシュを書いています。
本作は著名なシャーロッキアンの手によるパスティーシュで、非常に良くできていると思います。

『調教された鵜の事件』The Adventure of the Trained Cormorant(オーガスト・ダーレス)
本作の主人公はソーラー・ポンズ。
第一次世界大戦後、ちょうど「ホームズ後」の時代を舞台に活躍しています。
本作もまずまずで、ソーラー・ポンズ物が読みたくなってきました。
ソーラー・ポンズの事件溥 (創元推理文庫 184-1 シャーロック・ホームズのライヴァル)

ソーラー・ポンズの事件溥 (創元推理文庫 184-1 シャーロック・ホームズのライヴァル)

  • 作者: オーガスト・ダーレス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1979/08
  • メディア: 文庫
『コンク・シングルトン偽造事件』The Conk-Singleton Forgery Case(ギャヴィン・ブレイド)
ま、本作はとりあえず読んでみてください(^_-)-☆
ホームズ物の典型的なオープニングで始まりますが・・・。

『トスカ枢機卿事件』The Death of Cardinal Tosca(S・C・ロバーツ)
本作も有名なシャーロッキアンの手によるパスティーシュです。
ちょっと趣向を凝らした部分がありますが、そのため作品としては物足りなくなったかも。

第IV部 対決篇
『シャーロック・ホームズ対デュパン』The Unmasking of Sherlock Holmes(アーサー・チャップマン)
デュパンは、探偵小説の始祖エドガー・アラン・ポーが生み出したオーギュスト・デュパンのことです。
さすがにデュパンを目の前にすると、ホームズも・・・のようでf^_^;

『シャーロック・ホームズ対勇将ジェラール』Sherlock Holmes and Brigadier Gerard(作者不詳)
勇将ジェラールを知っている方は、そんなに多くない気がする。。。
コナン・ドイルが生み出した歴史冒険物の主人公です。
短編集2篇はいずれも絶版ですが、勇将ジェラールの後日談である『准将の結婚』が以下の短編集で読むことができます。
陸の海賊―ドイル傑作集〈4〉 (創元推理文庫)

陸の海賊―ドイル傑作集〈4〉 (創元推理文庫)

  • 作者: コナン ドイル
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 文庫
『シャーロック・ホームズ対007』Holmes Meets 007(ドナルド・スタンリー)
もちろん、あのジェームズ・ボンドです。
もちろん、パロディです。
思っていたより、面白く読むことができました(^^)

第V部 異色篇
『犯罪者捕獲法奇譚』Sure Way to Catch Every Criminal. Ha! Ha!(キャロリン・ウェルズ)
ホームズを会長とした「国際絶対確実探偵協会」の存在意義が、「犯罪者似顔描写法」の出現により危機に瀕する、、、というパロディですw
こちらも様々な名探偵が登場しています。

『小惑星の力学』The Dynamics of an Asteroid(ロバート・ブロック)
タイトルでピンと来た方はシャーロッキアンですね(^.^)
この作品は「上手い」です。
作者はあのヒッチコックの『サイコ』の原作者で、怪奇短篇の名手です。
血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

  • 作者: ロバート ブロック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本
『サセックスの白昼夢』Daydream(ベイジル・ラスボーン)
これは、作者名にピンと来た方はシャーロッキアン!
ベイジル・ラスボーンは「ホームズ役者」として有名な俳優です。
そんな彼もホームズ・パロディを書いていたんですね(._.)φ
シャーロック・ホームズの殺しのドレス[DVD]

シャーロック・ホームズの殺しのドレス[DVD]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: コスミック出版
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本
『シャーロック・ホームズなんか恐くない』Who's Afraid of Sherlock Holmes?(ビル・プロンジーニ)
この作品は、1960年代のアメリカの犯罪現場に突如、シャーロック・ホームズが現役バリバリで現れる、という話。
これだけ聞くと、これも単なるパロディに思えてきますが、この作品はなかなか面白いですね。
ちゃんとホームズが現れる必然性が、後で説明されています。
作者のビル・プロンジーニは<名無しのオプ>シリーズで知られていますが、Yuseumにとっては(共著ですが)このバカミス↓の作者として強烈に印象に残っています(‥ゞ
(確か、森博嗣さん推薦。)
裁くのは誰か? (創元推理文庫)

裁くのは誰か? (創元推理文庫)

  • 作者: ビル プロンジーニ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


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