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「クイーン再入門」特集で残念に思ったこと [エラリー・クイーン]

まず。
もしも、伝説のロックバンドの情報をお求めに拙サイトへ来られた方。
申し訳ございません(_ _)
この記事は、今から90年前にアメリカでデビューした作家「エラリー・クイーン」、早川書房ならば「エラリイ・クイーン」に関する記事です。


さて。
「クイーン再入門」とは、ハヤカワミステリマガジン2019年7月号の特集です。

ミステリマガジン 2019年 07 月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2019年 07 月号 [雑誌]

  • 作者:  
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/05/25
  • メディア: 雑誌
ミステリ界にのちのちまで多大な影響を与えたエラリイ・クイーン、ということで、著名人のみなさんによる「初心者にお薦めのクイーン」というコーナーがあるのですが。
ハヤカワ・ミステリ文庫のクイーン作品、「電子書籍」のみや「品切れ中」が多いような…[exclamation&question]
いや、電子書籍はまだ読めるからいいのですよ。
ただ、小説の分野はまだまだ紙書籍の方がいい、という方が多数なのも事実。


「国名シリーズ」や「悲劇四部作」のようなクイーン前期の作品は、新訳が角川文庫や創元推理文庫から出版されています。
ただ、クイーン中・後期の作品はたいてい早川書房が翻訳権を持っているので、ハヤカワ・ミステリ文庫でないと読めないのですよね。
だから、エラリイ・クイーンの諸作がほとんど読めるのはハヤカワ・ミステリ文庫…のはずなのですが(´ε`;)ウーン…

この数年、早川書房さんから新訳で出版されたのはこの二冊。

災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: エラリイ・クイーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 文庫
九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: エラリイ・クイーン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/08/21
  • メディア: 文庫
いずれも中期の名作ですが、実質、この二冊しかハヤカワ・ミステリ文庫のエラリイ・クイーンの紙書籍の新刊は入手できません。
今から20年ほど前、私がクイーンにはまった頃は、本屋さんに行くと(今回の特集で芦辺拓さんも触れられているように)ハヤカワ・ミステリ文庫の青い背表紙がズラリと並んでいて壮観だったのですが、それも今は昔。。。
だから、今回の特集で多くの方が仰っていたように、まずは『災厄の町』『九尾の猫』の間を埋める『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』の新訳をお願いします[exclamation]
(訳者の越前敏弥さんも望まれているし。)
一応、これらの二作は電子書籍で読める状態ではあります。
フォックス家の殺人

フォックス家の殺人

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1999/09/15
  • メディア: Kindle版
十日間の不思議

十日間の不思議

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/06/15
  • メディア: Kindle版
2021年3月追記:この二作の新訳版が実現しました(o´∀`o)
クイーンのライツヴィル

新訳と言えば、うれしいニュースも記されていました。
創元推理文庫ではありますが、2020年に短編集『エラリー・クイーンの新冒険』新訳が出版予定とのこと。
これについては、私の別ブログにて希望を出していたので、うれしいですね゚(o´∀`o)
定員No. 90:新訳で親しみやすくなった『エラリー・クイーンの冒険』


話は戻りますが、早川書房さんには現在ストップしているエラリイ・クイーン諸作の電子書籍化を再開してほしいです。
まだ、十数冊は電子書籍になっておらず、そのほとんどは早川書房さんが翻訳権を持っている作品。
クリスティー文庫のように、「エラリイ・クイーン文庫」を電子書籍ででも読めるように願いします_(_^_)_




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諸兄邦香(田中立恒)

 拝啓
 こちら様の別のブログにて、昨年に刊行された拙著『英語で味わうシャーロック・ホームズ名作短編集』(ジャパンタイムズ出版)をご紹介くださいまして、どうもありがとうございました。同書において私が最も気に入っている訳文は、「赤毛連盟」の中の『私の名は「ミスター」のダンカン・ロスと申します』というくだりです。紹介者がいない場合には、「ミスター」すなわち純然たる平民であることを明らかにしておかないと、気安く「ミスター・ロス」と呼んでよいのか、ウィルソンが迷ってしまうでしょうからね。かような訳文を書いた人が、過去にいますかどうか。このあたりは脚注つきの対訳本ならではの強みです。もっとも、編集部からは奇妙な人物と印象づけるためではないかという意見が寄せられたので、脚注は両論を併記することにしましたが。 敬具
by 諸兄邦香(田中立恒) (2020-01-17 08:02) 

ゆーじあむ

諸兄様、拙ブログにコメントありがとうございます。
私の別ブログのこちらの記事を読んでくださり、恐縮です。
https://yuseum-tm.com/read-sherlock-holmes-and-arsene-lupin-in-the-original/

「赤毛連盟」の該当の箇所(49ページ)…なるほど、ここの脚注は、諸兄さまの説と編集部のご意見の両論を併記されていたのですか!
貴重な解説の解説、ありがとうございます。

先日もTwitterにて、この『英語で味わうシャーロック・ホームズ名作短編集』のすばらしさを称えるツイートを拝見したばかりで、私も、これからも訳や解説・朗読を楽しみながら、英語の学習に役立てていこうと思いました。

by ゆーじあむ (2020-01-17 22:55) 

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