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クローズドサークル三度(みたび);『兇人邸の殺人』 [Mystery]

今村昌弘さんの大人気シリーズ最新作『兇人邸(きょうじんてい)の殺人』を読みました[本]
シリーズ第1作、第2作については、以前拙ブログ(別ブログ)にも記しました。


「これは私たち自身が留まることを選ばざるを得ないクローズドサークルなんだよ


兇人邸の殺人 屍人荘の殺人シリーズ

兇人邸の殺人 屍人荘の殺人シリーズ

  • 作者: 今村 昌弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/07/29
  • メディア: Kindle版
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序盤からパニックホラーの様相を帯び始め、さながらシリーズ第1作『屍人荘の殺人』の変奏曲であるかのような感覚を覚えましたが、デビュー作である『屍人荘〜』に比べても格段にリーダビリティーが進歩しており(デビュー作も相当レベルの高い作品ではありましたが)、途中からは一気に読んで堪能しました。
トリックの真相は、まさに特殊設定ミステリならでは。(若干アンフェアな気もしますが、確かに作者は作中にて条件を記しています。)
《追憶》で描かれる風景は、某作と雰囲気が似ている感じもなきにしもあらずですが……、悲しいですね(ノД`)

今回、名探偵役の剣崎比留子は、(遠田志帆さんが描く美しい)カバーイラストにも見受けられるように、籠の中の鳥状態になってしまいます。
そんな中で、ワトソン役の葉村譲との間に生まれた一歩先の関係性には好感です。

さて。
皆さんがご指摘されていますが、本作では冒頭で図示されている「兇人邸 見取り図」何度も見返しながら読まないといけません
いや、この見取り図自体は正確かつ精確で、本文中の表現も適切だから、見取り図を見ればだいたい判断できるのですが、そもそも兇人邸の構造が複雑すぎるので、立体的な位置関係や建物の装置などが、頭の中ではなかなかイメージしづらい[あせあせ(飛び散る汗)]
(さらに、物語途中で○○○○が発見されたりするし。)

あと、フィニッシング・ストローク。

最後の一行で記された、ある人の「名前」については、私はすぐに分かりました[手(チョキ)]
でも、これはシリーズ原作ばかりでなく、映画やコミックスも見たり読んだりして、ある程度このシリーズに精通していないと、
(゜д゜)ポカーン
となってしまうのも、肯けます。



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