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アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」＆「ミス・マープル」
ジェラルディン・マクイーワンの新しいミス・マープルシリーズ。
昨日、日本で初放映されました。
正直なところ、うむむ(--;) なんですけどｗ
『牧師館の殺人』 MURDER AT THE VICARAGE
ミス・マープル最初の事件 新版 (創元推理文庫 M ク 2-16)
以下、今回のドラマに対する文句ばかりが続きますorz…
後に放送された「クリスティー紀行」で、セント・メアリー・ミード村のモデルの村が紹介されて、確信しました。
今回のドラマで描かれているセント・メアリー・ミードには歴史の重みが感じられないから、イギリスの「どこにでもある田舎の村」には見えないのです。
セント・メアリー・ミードは、もう少しシックで落ち着いた美しさを湛えていると思うんです。
基調色はブラウンではなくて、グレーですね。
今回のセント・メアリー・ミード村は派手すぎるんです。
派手好きなYuseumですが(^_^;、これはちょっと違うなぁ。。。
「派手」といえば、ミス・マープルの服装もなぁ(´ヘ｀;)
あれでは、「都会の洒落たお婆さん」です。
まあ、別にマープルが昔、不倫をしていたというエピソードを入れたことについては、文句は言いません。
「人に歴史あり」ですからね。
ミス・マープルも若い頃は恋愛もしたでしょう。
しかしながら、原作にあるエピソードも、もっと丁寧に描いてほしかったです。
ジョーン・ヒクソン主演のBBC版は、そこがきめ細やかに描かれているんです。
例えば、レナード牧師は牧師館で殺人が起こってしまったので、ただでさえ参っているのに、愛する若妻グリゼルダの秘密の行動に心を思い悩ませる・・・。
そういう点がきちんと描かれているんです。
他の登場人物についても同様で、彼らの心情が丁寧に描かれているから、
「どの登場人物も死んでほしくないし、犯人であってほしくもないなぁ。」
と思ってしまうくらいです。
翻って、今回のシリーズはエピソードの描き方が表面的だから、「ああ、原作にもこういうエピソードがあったねぇ。」で終わってしまう。
登場人物の描き方が表面的だから、共感できないんです。
シリーズ・キャラクターもあまり魅力がない。
スラック警部はもう少し苦虫を噛み潰したような顔がいいし、ドクター・ヘイドックに至っては存在感がなさ過ぎる！
あと、原作は1930年代の作品ですけど、このシリーズでは1950年代を舞台にしています。第二次世界大戦後ですね。
ま、ミス・マープルの後期の作品はそれくらいの年代ですから、それはそれで構わないんですけど、、、作品の本質ではないところとはいえ、本作に「レジスタンス」や「特殊部隊」を絡めるのはどうかと思うんですけどね(‐_‐)
ミステリ的な観点で不満を書くと・・・、やっぱりここでも、
「もっと丁寧に描きましょうよ！」
と言いたくなります。
事件の現場検証をロクにせずに、ミステリ的に重要な部分を言葉だけですますのは、どうかと思うんですけど(-_-メ)
だから、最後のミス・マープルの推理がものすごく唐突に思えるんですよね。
確かに、マープル・シリーズはもともと推理の過程の描き方に曖昧なところがあるけれど、、、Yuseumはこの犯人を覚えていたけれど、初めて本作を見た人は、
「なぜ、あの人が犯人なのか。どうやって、それがわかったのか？」
という根拠がわかりにくかったんじゃないでしょうか？
・・・その割に、原作にはない犯人の死刑シーンは描くんですね( ´-`)
いろいろ不満を挙げればキリがないけど、最後にもう１点だけ。
なぜ、ミス・マープルの愛読書がチャンドラー
ハードボイルドが悪いとは言いません。
でも、『簡単な殺人の方法』なんて、クリスティーを始めとする（英国）本格ミステリをボロクソに非難しているエッセイでしょうが！
なんか、ドラマ制作者の「本格軽視」、ないしは「本格蔑視」が垣間見られるようで、非常に不愉快(▼▼メ)
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