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アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」&「ミス・マープル」
2週間続いた「クリスティー特集」も、今夜が最終話。
原作はYuseumの好きな作品です。
ドラマを見ての感想は、「まあまあ」。
悪くはないんだけど、手放しで賞賛できるような感じでもなかったです。
ストーリーの本筋は、ほぼ原作を再現していました。
しかし、もともと地味な作品なのに、全体的に原作以上に地味だったから、少々退屈((;・・ヘ)
そして、今回も恒例の「改変」は行われていました。
まあ、これまでの作品でゲイだの何だの見せられた後では、可愛い改変でしたけどね(..;)
人物相関図を大きく改変していたのですが、最初の登場人物紹介をサラッと見てしまったために、1回見ただけではよく理解できなかった(¨;)
『葬儀を終えて』 AFTER THE FUNERAL
この作品は「名犯人小説」なんです。
ポワロが犯人を指摘するシーンは、ほぼ原作を忠実に再現していて、概ね満足のいくものでした。
しかし、この作品が面白い理由の一つは、物語の冒頭、リチャードの葬儀が終わった後で、一族の中でも異質なコーラが、
「兄さん、本当は殺されたんでしょう?!」
と意味深な言葉を放つことで、ミステリが始まるからです。
(そして、そのコーラが殺される・・・。)
だから、その場面はもっと派手に演出したほうが、ラストがもっと盛り上がったと思うのですが・・・。
原作のキーワードの一つ、コーラが「小鳥のように首をかしげる」のが、さっぱり目立ちませんでしたねぇ。
「尼僧」もキーワードなんですが、これもこのドラマではあまり生きてませんでした。
だから、前半は地味で地味で・・・。
まあ、今回の「クリスティー特集」で放映されたドラマのことを考えると、地味なくらいが丁度いいのかもしれません(^_^;
リチャード、ヘレン、ジョージ、スザンナの関係がわかりにくかった。。。
(以下、ネタバレ)
ヘレンがリチャード・アバネシーの義妹、というのは原作と同じですが、ジョージがヘレンの息子で、本来はジョージがリチャードの遺産を相続するはずだった、という改変が加えられていました。
で、こういう風に改変したのは、ジョージが実はリチャードとヘレンの不倫の結果、生まれた子供だったというのを書きたかったから・・・。
ま、別にいいんですけど( ´-`)
原作では「スーザン・バンクス」なのに、今回のドラマで出てきたリチャードの姪は「スザンナ・ヘンダーソン」。
スザンナがアフリカ救援活動に熱心だ、という設定は、古典を描く際に現代の問題を盛り込む、というのはよく用いられる手法ですから、別に構いません。
で、従兄妹同士のジョージとスザンナが実は恋愛関係だった、という改変は、、、当時としてはタブーでしょうけど、先にも書いたようにゲイだのレイプだの見せられた後では、近親相姦の中でも軽いレベルだから、別にいいです( ´-`)
・・・別にいいんですけどね( ´−`)
でも、描くべきことはちゃんと描いてほしいですねぇ。。。
老執事のランズコムは原作では好きなキャラクターだったので、もう少し丁寧に描いてほしかったなぁ。
弁護士のエントウイッスルは、原作ではリチャードよりも年上という設定だったのに、若い弁護士さんだったのはヘレンに恋慕を寄せる弁護士を描きたかったから?
絵画が「フェルメール」じゃなくて「レンブラント」だったのは、フェルメールだと希少価値が高すぎるので、5000ポンドではすまないからなんでしょうけど、レンブラントがわからないっていうのはどうかなぁ。。。
あと、美術鑑定家としてイタリア系でコーラの元夫の「ガラチオさん(?)」を登場させた理由は?
(というか、なんでコーラの性を変えたの?)
・・・文句ばかり書いてきましたが、それはこれが「名探偵ポワロ」シリーズなので、期待が高いからです。
もちろん、いいところもたくさんありました。
エンダビー・ホールは素敵な屋敷でしたし、いかにもポワロの好きそうな幾何学的に美しいお庭がありましたし、なんといってもデヴィッド・スーシェは相変わらず素晴らしいポワロです!
ラストに容疑者を集めてポワロが犯人を指摘するシーンも、半ば儀式化されているとはいえ、相変わらず素晴らしかった。
犯人が連行されるときに見せた醜態は、いつも以上にインパクトがありました(○_○)
なんだかんだ言っても、「名探偵ポワロ」はいいですねぇ〜。
『満潮に乗って』も早く放映されないかなぁ。。。
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