今村昌弘さんの大人気シリーズ最新作『兇人邸(きょうじんてい)の殺人』を読みました#59011;
シリーズ第1作、第2作については、以前拙ブログ(別ブログ)にも記しました。




「これは私たち自身が留まることを選ばざるを得ないクローズドサークルなんだよ





兇人邸の殺人 屍人荘の殺人シリーズ



  • 作者: 今村 昌弘

  • 出版社/メーカー: 東京創元社

  • 発売日: 2021/07/29

  • メディア: Kindle版





序盤からパニックホラーの様相を帯び始め、さながらシリーズ第1作『屍人荘の殺人』の変奏曲であるかのような感覚を覚えましたが、デビュー作である『屍人荘〜』に比べても格段にリーダビリティーが進歩しており(デビュー作も相当レベルの高い作品ではありましたが)、途中からは一気に読んで堪能しました。
トリックの真相は、まさに特殊設定ミステリならでは。(若干アンフェアな気もしますが、確かに作者は作中にて条件を記しています。)
《追憶》で描かれる風景は、某作と雰囲気が似ている感じもなきにしもあらずですが……、悲しいですね(ノД`)

今回、名探偵役の剣崎比留子は、(遠田志帆さんが描く美しい)カバーイラストにも見受けられるように、籠の中の鳥状態になってしまいます。
そんな中で、ワトソン役の葉村譲との間に生まれた一歩先の関係性には好感です。