1st-08はこちら。
今回は霊能力者のお話。実際、霊能力で殺人事件が解決した、という話もあるようですが、この作品ではどうなるのでしょう。霊能力といえば・・・。（以降この作品のネタバレあるので、ご注意。）
1st season第九話：「殺人公開放送」 vs 黒田清
- 古畑任三郎
霊能力者の黒田清（石黒賢さん）が河原に赤いスカーフを置くところを、チンピラ風の男が見ていた。トレードマークの黄色いサングラスにライダースジャケット姿の黒田を見たその男は「見たことあるで。有名人やろ。」としつこくからむ。あげくの果てに取っ組み合いとなり、はずみで殺してしまう。慌てて死体を隠し、バイクで立ち去る黒田。
テレビ局で、黒田の霊能力番組の生放送が始まった。ゲストには科学者らしく超能力を否定する大学教授・神宮。そして、抽選で手に入れた古畑任三郎と今泉も観客に混じっていた。第七話に出ていた見学のおばちゃんも来ていますね(^。=)
観客から選ぶ霊視実験で、古畑に手を挙げさせられた今泉君。黒田の霊視により、上司と上手くいっていない、過去に蛙を飼っていて、オタマジャクシの時に留守中に猫が金魚鉢をひっくり返して死なせてしまったことを当てられ、ギョッとする今泉君。オタマジャクシを供養してあげて下さい、と言われて、「し、しかし？！」と歯をむき出しにする今泉君が面白いです(^.^) で、それで上司（＝古畑さん）との仲も上手くいくと言われて嬉しそうな今泉君(^o^) （古畑さん、思わず「バカヤロ」と口走ります。）しかし、神宮教授が言うにはこれはリーディングであり、「極めて質の悪い隠し芸だ。」と罵倒します。
そして、番組はメインテーマへ。それは行方不明になっているOLを探すことだった。河原に落ちているOLの赤いスカーフが霊視で映るという黒田。取材班のスタッフが河原を探し当て、赤いスカーフを見つける。だがそのからくりは、神宮教授によってすぐ見破られた。霊能力者として窮地に立たされた黒田は、ついに、チンピラ風の男の死体のことを切り札にした。「河原に死体が見える。」という黒田。男の死体を見つけ出す取材スタッフ。死体の服装からシャツの色合いまで言い当てる黒田に驚く会場。感心する今泉。だが、古畑の目はごまかされなかった。収録したテープをつぶさに見て古畑は、黒田の犯罪を立証していく・・・。
神宮教授が「黒田君。役者になりなさい。名演技だ。」と拍手するように、石黒賢さんの迫真の演技が光る作品であります。石黒賢さんといえば、『新選組！』では桂小五郎役。いい役者さんです。
しかし、作品としては死体発見までの時間が長くなったため、古畑vs黒田の直接対決が結局解決編に持ち越される結果となり、物足りない印象は残りました。証拠としての「指紋」は秀逸でしたけど、古畑が黒田の犯罪に気づくきっかけとなった“アレ”は色の三原則で説明できるの？ 夕日の中での犯罪だったし、どっちかというと光の三原則が絡んでくるのでは？
最後に黒田が悲壮な声で「僕には力があった。今だって・・・」と霊能力を見せようとするシーン。古畑さんの「そんなもんです。」という言葉が印象的です。