ええと`s(-・-;)
Yuseum、山口雅也さんの作品は読んだことないです(爆)
でも。
山口さんがクリスチアナ・ブランドを敬愛していることは、よく存じています(^^)
なんたって、ブランドの文庫化作品(7作)のうち、『緑は危険』、『ジェゼベルの死』、『暗闇の薔薇』の3作品、そして、この前発売されたばかりの「ぶち猫 コックリル警部の事件簿」の解説は、いずれも山口さんの熱い解説ですから(^^ゞ
そんな山口さんの手による、角川文庫の現代作家による「本格ミステリ・アンソロジー」がこれ↓
「有栖川有栖の〜」、「北村薫の〜」、「法月綸太郎の〜」に続く第4弾!
(そのうち、北村さんのは読みました。←ブランドの傑作短編『ジェミニー・クリケット事件』の[米版]が収載されていたので(^_^))
なんでも、中学生の頃から≪お遊び≫でミステリ・アンソロジーを作成していた山口さんは、このお三方が羨ましかったそうで(笑)
そのことがIntro.で触れられているのですが、これがまた面白くてo(^-^)o(少なくとも9回は寸評付きのアンソロジーを編んでます(!o!))、その中学時代の「寸評」だけでも1冊の面白い本になりそうなのですが…(^^)v
ここでは、今回のwアンソロジー収録作品を紹介していきます。
アンソロジーって収録作品がわからないと、購入に躊躇しますよね?
(昔は「立ち読み」してたものだが、本をネットで買う最近は、その辺りが分かりにくい(・・)(。。))
ちなみに、Yuseumはまだ本作読んでないので、当然ネタバレはございません(苦笑)
ご安心を♪
1)意外な謎と意外な解決の饗宴 このパートでは、舞台や世界づくりの意外性、解決の意外性というように、「意外性」がテーマのようです。
- 『道化の町』A Dirge for Clowntown(ジェイムズ・パウエル)
パウエルは近々、本作を含む短編集がKAWADE MYSTERYより出るから、その参考になるかな。
そのタイトル通り「道化師」ばかりが暮らす町で、毒入りカスタードパイを顔に受けて絶命した道化師の事件を、道化師の格好をした警部が解決するんだそうで(*^^)v
- 『ああ無情』(坂口安吾)
日本純文学界においても、国産本格ミステリの世界においても多大な功績を残した坂口安吾の、「複雑極まりない容疑者たちの人間関係」を描く短編。
- 『足あとのなぞ』(星新一)
当然、ショート・ショートです。
「雪の上で消えた足跡」という密室について、わずか7ページの間にいくつもの仮説が浮かんでは消え、、、そして…。
これは読み終えました。さすがです(^_-)v
- 『大叔母さんの蠅取り紙』Great-Aunt Allie's Fly-Papers(P・D・ジェイムズ)
実はYuseum。
P・D・ジェイムズは読んだことがない(._.)ノ ((((((●*
(いや、どうも'60年代以降までは手が回らなくてf^_^;)
でも、既にこの本のレビューを書いている方々によれば、「これが一番面白い。」という感想が多かったですね。
山口さんも「本格ミステリという観点からは、代表長編も含めた彼女の全作品中でも、一、二を争う出来なのではないか。」と書かれています。
- 『イギリス寒村の謎』The English Village Mystery(アーサー・ポージス)
アーサー・ポージス。
どこかで聞いた名前だなぁ?(・_。)?(。_・)? と思っていたら、この本にも短編が掲載されているんですね!
この作品もパロディー。
「セラリー・グリーン」シリーズの一篇といえば、、、「誰」のパロディーなのか分かりますねf(^ー^;
このシリーズ、EQMMに寄稿されていたというのだから、それだけで笑っちゃいますw
2)ミステリ漫画の競演
- ≪コーシン・ミステリイ≫より「Zの悲劇」「僧正殺人事件」「グリーン殺人事件」(高信太郎)
「X」「Y」は「オチやギャグに≪エロ≫の度合いが強すぎて」、併載するのを控えたようです(^◇^;)
- 〆切りだからミステリーでも勉強しよう(山上たつひこ)
「がきデカ」の山上たつひこさんです。
本作の「ネタ」は、『そして誰もいなくなった』(!o!)オオ!
3)「謎」小説(リドル・ストーリー)の饗宴
リドル・ストーリーとは、、、山口さんが「知らない方には、読む前に余計な予備知識を与えて感興を削ぐことになってはいけない」と書いているので、以下の作品も簡単に紹介しますが、、、この傑作も一種のリドル・ストーリーですよね?
- 『女か虎か』The Lady, or the Tiger?(フランク・R・ストックトン)
リドル・ストーリーといえば、これ↑
- 『三日月刀の促進士』The Discourager of Hesitancy(フランク・R・ストックトン)
上の続編。
- 『謎のカード』The Mysterious Card(クリーヴランド・モフェット)
「リドル・ストーリーの三大古典名作」の2つめ。
なお、もう1つは(年代的に一番古い)マーク・トゥエインの『恐ろしい中世のロマンス』だけど、本書には未収録。
- 『謎のカード事件』The Spy and the Mysterious Card(エドワード・D・ホック)
先日亡くなったホックが、上の「謎」に挑戦したもの。
なお、編集部によると、訳者さん(村社伸 氏)の連絡先が不明なので、ご存じの方は角川書店までご連絡を、とのことです(._.)φ
- 『最後の答』The Last Answer(ハル・エルスン)
山口さん曰く、「ちょっとした問題」があるようで・・・(?_?)エ?
4)幻の作家たちの競演
- 『ファレサイ島の奇跡』(乾敦)
山口さんにとって、「大学のミステリ研時代のほとんど唯一の友人と言える男」だそうです(^^ゞ
ブラウン神父譚のパスティーシュ。
- 『新納の棺』(宮原龍雄)
昭和20-30年代に、主に旧≪宝石≫誌を舞台に活躍された方、だそうです。
まだ個人作品集を上梓していないので収録したそうですが、これも既読の方の感想を拝見したところ、良い評判でした。
5)密室の競演I(最後の密室)
- 『最後で最高の密室』The Locked Room to End Locked Room(スティーヴン・バー)
この作者スティーブン・バーに関する情報はほとんどないようですが、本作は早川書房の「世界ミステリ全集18. 37の短篇」に収載されていたので、Yuseum、名前だけは聞いたことがありました(・-・)(。_。)(笑)
- 『密室学入門 最後の密室』(土屋隆夫)
こちらは、日本の本格が比較的不毛だった一時期に、鮎川哲也と共に活躍した重鎮、土屋隆夫による「最後の密室」。
6)密室の競演II(密室の未来)
SF界のビッグネーム2人による、「密室の未来」とは?
- 『真鍮色の密室』The Brazen Locked Room(アイザック・アシモフ)
SFばかりでなく、ミステリや科学の世界でも名高いアシモフによる、SF的密室ミステリ。
- 『マイナス 1』Minus One(J・G・バラード)
作者は、『結晶世界』などのニュー・ウェーヴSFや、最近では『コカイン・ナイト』のようなクライム・ストーリーも書いています。
・・・とあたかも知っていたかのように書いていますが、Yuseumは知らなかったヾ(℃゜)々
本作は、もはやカテゴリー分類もできないような作品のようです。
出典一覧
以上が、「山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー」に収録されている全作品なのですが。。。
実は、この「出典一覧」にこそ、本アンソロジー最大の「謎」があるようでw
1)意外な謎と意外な解決の饗宴の『道化の町』と『ああ無情』の間に、『世界最強の仕立屋』とあるのですが・・・。
そんな作品、収録されていません
出典が書かれていた(HMM74-1)ので、ちょっと調べました。
作家は、、、あのマイクル・クライトン!
・・・版権の関係でボツになったけど、編集部で削除し忘れたのだろうか…?