創元推理文庫に「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」というシリーズがあります。
(ま、ほとんど品切れですが(;´Д`))
ホームズ時代とほぼ同じ頃に活躍した名探偵の短編をまとめたものですが、後ろの解説を見てみると、
○○○の作品は▲▲▲に収録されているので、重複を避けた。▲▲▲を読んで頂きたい。」
みたいな文章によく出くわします。
この記事は、Yuseumの備忘録として○○○をまとめてみました。

例えば、「ホームズのライヴァルたち」シリーズではないですが、クロフツ短編集 2 (創元推理文庫 106-20)という短編集があります。
この英題は、"The Mystery of the Sleeping Car Express and Other Stories"。
つまり、「『急行列車内の謎』及びその他の作品」という英題がブックカバーにも書かれていますが、『急行列車内の謎』はこの本に収録されていませんエェ━━━━━( ゚Å゚;)━━━━━!!?
『急行列車の謎』はこの本に収録されています↓

世界短編傑作集 2 (創元推理文庫 100-2)

  • 作者: モーリス・ルブラン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1961/01/13
  • メディア: 文庫
「世界短編傑作集」はさすがに品切れになることは少ないのですが、(むしろ、クロフツ短編集 2 の方が品切れ#59143;)、困るのは逆のパターン。
後ろの解説にその作品が簡単に紹介されているのに、それが読めないのは辛い#59124;

話が少し横道にそれてきたので、早速、ホームズのライヴァルたちの傑作短編を、ほぼ時代順に紹介していきましょう。
なお、Yuseum。
「世界短編傑作集は」昔、ほとんど読んだのに、すっかり忘れていたので(爆)再読しました(^◇^;)

●マーチン・ヒューイット
マーチン・ヒューイットの事件簿 (創元推理文庫)に収められている探偵。
作者はアーサー・モリスン。
ホームズがライヘンバッハの滝壺に姿を消した頃に、ちょうど連載が開始されたようです。
代表作品は、『レントン館盗難事件』The Lenton Croft Robberies
↓に収められています。

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)

  • 作者: ウイルキー・コリンズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1960/07/24
  • メディア: 文庫
ほぼ密室状態のレントン館で、宝石盗難事件が連続して発生。そこには、必ずマッチの燃えさしが残っていた・・・。
まあ、ややアンフェアな作品ですが、そこを論じても仕方ないでしょう。
1894年に書かれた作品ですし。
ヒューイットはやや地味な感じがしましたが、他の作品ではどうなのかな?

●隅の老人

隅の老人の事件簿 (創元推理文庫 177-1 シャーロック・ホームズのライヴァルたち)

  • 作者: バロネス・オルツィ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1977/08/19
  • メディア: 文庫
作者のバロネス・オルツィは『紅はこべ 』の作者としても有名。
あと、論創社から「ホームズのライヴァルたち」として、「レディ・モリーの事件簿」も出ています。

『ダブリン事件』Dublin Mystery
ダブリンで2つの重大犯罪が同時に起こった。つまり、著名な弁護士パトリック・ウェザード氏の殺害事件と、百万長者ブルックス氏の遺言状偽造事件だ! ≪安楽椅子探偵≫隅の老人がその真相を語る。
世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)に収録。
どうも地味な作品で、犯人はすぐに分かるかな。
ただ、その犯人がXXXされないというのは、今の時代ではなかなかアレなんですがf^_^;

クイーンの定員―傑作短編で読むミステリー史 (2) (光文社文庫)に収録されている、以下の作品も紹介しておきましょう。
『英国プロヴィデント銀行窃盗事件』The Theft at the English Provident Bank
英国プロヴィデント銀行で窃盗事件が起こった。支配人のアイルランド氏はその場で気を失っていた。夜警のジェイムズ・フェアベアンは、アイルランド夫人が夫に声を掛けていたと供述したが、夫人はそれをきっぱりと否定した・・・。
うーん、Yuseumは真犯人が分からなかったのですが(;´∀`)、これはすぐに調べがつくんじゃないかなぁ。
つまり、隅の老人は「謎を正しく解き明かしたのは、ロンドンではわたし一人」と言っていますが、警察はそれほど馬鹿ではないと思うのですが。。。