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『アリバイ崩し承ります』:原作から読むか?ドラマから見るか? [Mystery]


現在、私もイチオシの女優さんである浜辺美波さんが、主人公の美谷時乃を演じる『アリバイ崩し承ります』
その原作はこちらです[左斜め下]

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

  • 作者: 大山誠一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 文庫
2月12日現在、ドラマは第2話まで放送されました。
一話完結のこのドラマ。原作のメインキャラクター設定をいろいろ変更・追加されてはいるものの、ストーリーはほぼ原作通りでしたね。
時を戻すことができました
アリバイは、崩れました!
原作は、7話からなる連作短編集。
原書房の「2019本格ミステリ・ベスト10」第1位の人気作です。
「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある美谷時計店。
その店主である美谷時乃にアリバイ崩しを依頼する刑事。
原作ではある新米刑事がいずれも依頼しており、彼が時乃に事件を説明して、それを聞いた時乃がアリバイを崩すのです。
時乃は、完全な「安楽椅子探偵」ですね。

 

ドラマでは、時乃にアリバイ崩しを依頼する刑事は、安田顕さん演じる察時美幸(さじよしゆき)
警察庁のキャリアでしたが、ある出来事がきっかけで那野県警に左遷された、プライドの高い刑事部の管理官です。
那野県警には、父親が大物国会議員のボンボン刑事、成田凌さん演じる渡海雄馬(とかいゆうま)など、ドラマのオリジナルキャラクターも何人か登場しており、彼らのやり取りもドラマの見どころの一つです。

 

ドラマの第1話「死者のアリバイ」は、原作の第3話「時計屋探偵と死者のアリバイ」に沿っており、
ドラマの第2話「ストーカーのアリバイ」は、原作の第1話「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」に沿っていました。
ストーリーやアリバイ・トリックは、ほぼ原作通りでした。
ドラマの第3話「美人姉妹のアリバイ」は、おそらく原作の第4話「時計屋探偵と失われたアリバイ」に沿うものと思われます。
これは、「アリバイ崩し」ならぬ「アリバイ探し承ります」のお話です。

 

また、AbemaTV「アリバイ崩し承ります 特別編 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ 前編・後編」の独占配信も発表されています。
これは、おそらく原作の第5話「時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ」に沿うのでしょう。

 

このブログ記事のタイトルにも書いた、
原作から読むか?ドラマから見るか?
ですが、この作品に限っては、原作を先に読んでからドラマを見た方が、より楽しめるような気がします。
ストーリーは(今のところ)ほぼ原作通りなので、わりと淡々と話が進行する原作がどのように脚色されたかを見る楽しみができると思います。
原作はサクサク読めるので、今から読み始めても遅くはないでしょう。

 

(補足)
ドラマの第4話「山荘のアリバイ」←原作の第6話「時計屋探偵と山荘のアリバイ」
ドラマの第5話「ダウンロードのアリバイ」←原作の第7話「時計屋探偵とダウンロードのアリバイ」
ドラマの第6話「最終章…凶器のアリバイ」←原作の第2話「時計屋探偵と凶器のアリバイ」
そして、ドラマの最終回「多すぎる証人のアリバイ」は、「アリバイ崩し承ります2」の第2話「時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ」をベースにしていました。
(最終回は一部に「ドラマ・オリジナル」ともありましたが、それは間違いです。)

この「アリバイ崩し承ります2」は、2020年4月現在、実業之日本社の文芸webマガジン「Webジェイ・ノベル」第2話まで公開されており無料で読めます[無料]
「アリバイ崩し承ります2」の第1話がドラマ化されていないこともあって、ドラマの続編も期待できそうですね。

アリバイ崩し承ります Blu-ray BOX

アリバイ崩し承ります Blu-ray BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2020/07/22
  • メディア: Blu-ray
アリバイ崩し承ります DVD-BOX

アリバイ崩し承ります DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2020/07/22
  • メディア: DVD

※おまけ1

主演の浜辺美波さんは、昨年NHKで放送されたドラマ『ピュア! 一日アイドル所長の事件簿』(もうすぐDVDが発売されます)や、昨年末に公開された映画『屍人荘の殺人』など、最近は探偵的な役どころが多いですね(o´∀`o)
もともと読書家の美波さん。今回の原作も読まれているのかな?
探偵役ではなさそうだけれど、今度の「名探偵コナン」劇場版シリーズの最新作『緋色の弾丸』にもゲスト声優として出演されるそうです。




※おまけ2

『アリバイ崩し承ります』の原作者は、大山誠一郎さん。
大山さんの作品は初読み…と思ったら。
大山さんが翻訳されたニコラス・ブレイク『死の殻』を読んだことがありますね!

死の殻 (創元推理文庫)

死の殻 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 文庫
この作品が新訳出版されたのはもう20年近くも前になり、今では品切れですが、面白く読んだ記憶があります。
(細かいところは忘れてしまいましたが[あせあせ(飛び散る汗)]
ニコラス・ブレイクはポスト黄金時代(1930年代以後)の本格ミステリ作家ですが、アイルランド生まれのイギリスの桂冠詩人(1967年〜1972年)で、本名はセシル・デイ・ルイス。
(息子さんがハリウッド俳優のダニエル・デイ・ルイスです。)

 

ニコラス・ブレイク名義の推理小説では主にナイジェル・ストレンジウェイズという私立探偵が活躍しますが、その中でもっとも有名で完成度も高い作品が『野獣死すべし』(永井淳 訳)です。
これは数年前のハヤカワ文庫補完計画で、トールサイズで復刊しており、電子書籍も出版されているので、ブレイクの翻訳作品の中では最も手に取りやすいでしょう。
ここではKindle版を表示しました。
Amazonや楽天などでは、文庫本の商品説明ページに旧版のカバージャケットが掲載されていることが多いですが、紙書籍版についても新本はKindle版と同じカバージャケットです。
野獣死すべし (ハヤカワ・ミステリ文庫)

野獣死すべし (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/10/15
  • メディア: Kindle版

 

なお、大山誠一郎さんはエドマンド・クリスピン(ブレイクより少し遅れてデビューした、ポスト黄金時代の本格ミステリ作家)のこちらの作品[左斜め下]も翻訳されているようです。(こちらは未読…)
永久の別れのために

永久の別れのために

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本


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