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書斎の死体(ミス・マープル) [アガサ・クリスティー]

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アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」&「ミス・マープル」

さて、今回は『書斎の死体』。
前回の『予告殺人』と違って、謎の魅力だけで視聴者(ないしは読者)の興味を持続させる作品ではないので、キャラクターとか風景などの描写が重要になってくるのですが・・・。
昨日は20分ほど見たのですが、あまりのつまらなさに頭痛もしてきたので、途中で録画だけして寝ました(-_-)゜zzz…
で、今、録画したものを何とか見終えましたが・・・。
正直、今回も『牧師館の殺人』と同じで、「品がない」作品でしたね(-_-メ)

『書斎の死体』 THE BODY IN THE LIBRARY


Yuseumはこの原作をちゃんと読んでいませんが、BBC版(ジョーン・ヒクソンのミス・マープル)は見ていました。
で、今回のドラマを見て、
「あれ?! こんな作品だった?」
と、原作やDVDやら見直しました・・・。

今回のドラマに対して、いろいろ文句はありますが、まず一言。
また、レズかい!!!

まあ、ドラマというものは古典といえども現代の世相を反映してしかるべき、とは思うから、レズビアンを描くこと自体は百歩譲って認めます。
でも、
レズを描くために、ストーリーの骨格を変えるのは本末転倒!
です。
制作者はレズ絡みの結末に「改悪」することによって、いったい何を言いたかったのでしょう?
さっぱり、わかりません(‐_‐)
クリスティー財団は、よくこんな作品を許可したものです。
(ITVが映像化独占権を買っているから、口出しできないのか???)

キャラクターは総じて魅力なかったですね(x_x)
バントリー夫人、ケバ過ぎ!!!
また、バントリー大佐の存在感は極めて希薄でしたねぇ。
BBC版はバントリー大佐のプライドの高さを上手く描いているから、例えば、大佐が気分を害したときはブタを眺める(-Φ-)、っていうエピソードが生きるんですよ。
そして、それを心から心配するバントリー夫人。
ところが、今回のドラマはその辺り、全て表面的にしか描かれていません。
「なぜ、ゴシントン・ホールの書斎に死体があったのか?」
という魅力的な謎も、バントリー大佐の性格をきちんと描いていないから、全く説得力がありませんでした。

描くべきことをきちんと描いていないのに、原作にはない「どうでもいいこと」を描くのに力を入れているのは、今回のドラマ・シリーズの特徴です。
(その割に、「どうでもいいこと」の描き方も表面的なのですが(´ヘ`;))
富豪のジェファーソン。
名優イアン・リチャードソンが演じているのにも関わらず、出番がほとんどないのも残念でした。
(最後の「おとり作戦」なんて、あんな演出しかできないのなら、例え原作に描かれていても、カットされていたほうがマシでした。)
でも、もっとひどかったのはジェファーソンが足を不自由にした理由。
原作では飛行機事故が原因で、そのため二人の子供も同時に亡くしたのですが・・・、今回のドラマではなんとV2ロケットが原因!

V2ロケットとは、第二次大戦中にドイツがロンドンを遠隔攻撃するために作った弾道ミサイルです。
ミサイルの実質的効果はともかく、"V2"が当時のロンドン市民に与えた心理的影響は、かなり大きかったと聞いたことがあります。
でもね・・・、今回のドラマが第二次大戦直後の1950年代を舞台にしているからって、V2を出してくるのはあまりにも安直で、奇をてらいすぎです。
クリスチアナ・ブランドの『自宅にて急逝』という作品は、ラストの謎解きの最中に何と空襲を受けて、それで物語を派手に盛り上げていましたが、今回のドラマにそんな効果があったかと言えば、全然ないですし。(まあ、派手な映像でしたけど。)
原作にないオリジナルを描いても、制作者のメッセージを全然感じないんですよね( ´−`)

あと、これはポワロを見ていたときも思ったのですが、グラナダTVの制作者は、
当時の風俗を描く=ダンス・シーンを描く
と思い込んでいるのでしょうか?
今回は証人尋問するたびに、マジェスティック・ホテルでのダンス・シーンが再現されていました。
証人によって微妙に証言が食い違うこともあるから、ミステリで証言の再現映像を作ることはいいことなのですが、今回のドラマでは大して代わり映えのしない映像を何度も何度も見せられるから、「手抜き?」と思って飽きてしまいます。
見せられるダンス・シーンが全然面白くないから、なおさらです(ー_メ)
もう少し演出に工夫を施してもらいたいものです。

最後に、ミス・マープル。出しゃばりすぎ!
「クリスティー紀行」の再放送だけが楽しみ・・・では、泣けてきます(´Д`|||)
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コメント 4

美輪@brownycat

こんにちは。本当に、品のない、英国らしさのかけらもないドラマでした……(T_T)。
あんなのミス・マープルじゃない![いかり]何でもかんでも「現代的」にすりゃいいってもんじゃない![どくろ]
どうにもこうにも、原作に対する「愛」が足りないとしか思えません。
……ああ、地味でも盛り上がりに欠けても旧作が懐かしいです……。[はぁっ]
by 美輪@brownycat (2006-12-12 15:11) 

ゆーじあむ

そうそう、なんでもかんでも「現代的」にすりゃいいもんではないですよね[いかり]
「牧歌的」な英国ミステリが好きなのに・・・[さーっ]
by ゆーじあむ (2006-12-16 17:51) 

にせみ

[にこっ]はじめまして、TBさせていただきました。
年末年始恒例のNHKのクリスティ特集を楽しみにしているのですが、近頃傾向が変わってきたようでちょっとがっかりしていました。
ほかにも同じように感じてらっしゃる方がいらっしゃるんだ、と、ちょっと安心しました…。
by にせみ (2006-12-23 21:49) 

ゆーじあむ

にせみさん、初めまして。コメントありがとうございます[にこっ]
そうなんですよね。ポワロの場合は制作会社が少し変わったこともあって、そのせいか作風が変わってしまったようです。
(で、ミス・マープルもほぼ同じ制作会社。)
なんでもかんでも現代的にするのは気にくわないですね[むむっ]
by ゆーじあむ (2006-12-26 13:10) 

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