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ビッグ・フォー(名探偵ポワロ) [アガサ・クリスティー]

9/15はアガサ・クリスティーの誕生日でした。
そんな日に放送されたのは、これ[左斜め下]
名探偵ポワロ - NHK


ビッグ・フォー The Big Four
ジャップ警視監からヘイスティングス大尉とミス・レモンのもとにポワロ死去の知らせが届く。その死の裏には、「ビッグ・フォー」と呼ばれる国際的秘密結社の存在があった。4週間前。新聞記者タイソーのもとにビッグ・フォーの活動を警告する匿名文書がたびたび届いていた。そんなある夜、ポワロが出席した平和党のパーティーで、党の代表ライランドとロシアのチェスの王者サヴァロノフが対戦。だが開始直後、王者が急死する。


原作はこちら (Kindle版 、[左斜め下]

ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/03/16
  • メディア: 文庫

一転して、クリスティー初期の作品です。
クリスティーがその私生活に問題を抱えていた頃の1927年に出版された作品で、いくつかの短編をつなぎ合わせて書かれたとのこと。
ポワロ物では珍しい冒険スリラー小説なのですが、一般に【低評価】です[あせあせ(飛び散る汗)]
ま、その異色なストーリーは別の意味で面白いと言えば面白いのですがw、 あまりに荒唐無稽過ぎるので映像化は不可能とも思われていました(^_^;)

その無謀な難業に挑戦した脚本家は、マーク・ゲイティスとそのパートナー、イアン・ハラード
(監督は、「名探偵ポワロ」は初めてのピーター・ライドン。)
ゲイティスさんは、これまでにも『鳩のなかの猫』『ハロウィーン・パーティ』の脚本を手がけており、役者として『死との約束』に出演しています。。。
・・・と紹介するより、今ではSHERLOCKの制作総指揮&マイクロフト兄さんとして有名ですね[手(チョキ)]
ハラードさんはゲイティスさんの上記2つの脚本を手伝っており、また『ハロウィーン・パーティ』においては役者としても出演しています。(今回もノンクレジットで出演)
『鳩のなかの猫』や『ハロウィーン・パーティ』は、原作をそこそこ改変していたものの割と楽しめましたし、期待したいところです。

もう1つのお楽しみは、『白昼の悪魔』以来12年ぶりに登場するジャップ警視監(出世しました[右斜め上]、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン[るんるん]
テレビ版 名探偵ポワロ で「ビッグ・スリー」と形容された初期作品のレギュラー3人が久しぶりに集結だなんて、ワクワクするではありませんか((o(´∀`)o))
あっ、最近の作品で時折登場する執事のジョージもいますよ(^^)
さあ、どんな作品に仕上がったでしょうか。

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[TV]・・・(´ε`;)ウーン…(苦笑)
もうちょっとハジケたストーリーにしても良かったんじゃないかなぁ〜。
でも、脚本のゲイティス&ハラードさんは「名探偵ポワロ」の世界観から外れないような作品に仕上げようと苦労されたようです。
そのあたりの背景は、以下のブログ記事に記されています。
Adapting Poirot: Q&A with Ian Hallard | Investigating Agatha Christie's Poirot (English)

以下、本作のネタバレにつながるので、これから下の文章を読むときはご注意を[exclamation]

そんなわけで、ポワロさんにとっての「あの女(ひと)」ロサコフ伯爵夫人も、兄さん?のアシール・ポワロもカットされてしまいましたが、そこはまあいいんですよ。
ロサコフ伯爵夫人は、次の『ヘラクレスの難業』に登場しますし。
アシールを登場させると、『カ(以下略)

原作から、<チェスの問題>、<骨つきの羊肉(マトン)>、<黄色いジャスミンの謎>が映像化され(もっとも、<チェスの問題>での被害者は原作と逆だったりしますが)、「ポワロ死す!?」もあるし、ドッカーン[爆弾]もあったわけで原作のエッセンスは感じられましたが、いささか単調で退屈だったかな。
 
一番の難点は、原作においても「ビ、ビッグ4〜?」小物臭プンプンのビッグ・フォーが、完全な小物になってしまったところですね。
いや、「愛」が動機であるのはいいんですよ。
そして、その「愛」を得るために、ビッグ・フォーという「全世界の記憶に残る」とてつもないことをやらかしているサイコパス、という設定は悪くはないですが。。。
ビッグ・フォーに対する世の中の反応がほとんど描かれていない(あるのはタイソーの新聞記事だけだ)から、視聴者には独りよがりの犯人としか見えないんですよね。
事件そのものもロンドン近辺でしか起こっていないし。
それに対する全世界の反応というのも描いていれば、もう少しイメージが変わるような・・・(ダメかな^_^;)
 
ジャップ警部、いや警視監の「かみさんの話題」がチラホラ出てくるのは面白かったです。 
ヘイスティングス大尉とミス・レモンの登場シーンは少なかったですが、ポワロの爆死[がく~(落胆した顔)]を受けてヘイスティングスが孤軍奮闘する決意を固めるシーンやら、ミス・レモンがポワロのことを怒るシーンとか、よかったです。
そして、(ジョージも含めて)最後の最後に皆が揃い、「モナミ、モナミ!」のシーンはなんか嬉しかったですね。


来週は『死者のあやまち』。
オリヴァ夫人再登場(にしてラスト)の作品ですが、なんと言っても見どころは原作に登場するナス屋敷のモデルとなった、クリスティーの夏の別荘グリーンウェイ・ハウスにて実際に撮影が行われているところ!
Greenway
この前の「さよならポワロ!」の特番でもありましたが、この作品が「名探偵ポワロ」最後の撮影作品です。
その映像美をじっくり楽しみたいです(*^_^*)
 
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コメント 4

sana

ジャップ警部、警視監になっていましたね。
ミス・レモンの登場、ヘイスティングスの老けたけど中身は変わらない感じ、楽しかったです~。
ビッグ4はあまり面白くなかったので読み返したことも1度ぐらいでそれもずうっと前‥
内容を覚えていないんですが‥
それなりにまとまっているようにも思いましたが、ほんとに小ものでしたね^^;
ポワロの嬉しそうな「モナミ、モナミ!」とっても良かったです。
by sana (2014-09-26 18:23) 

Yuseum

sanaさん、こちらもコメントありがとうございます[わはっ]
ビッグ4、原作は色々ツッコミどころがありすぎるものの[どくろ]、ドラマでももう少し楽しい雰囲気があればよかったのにな〜とも思いました。
でも、最後のシーンはよかったです[はぁと]
by Yuseum (2014-09-30 23:25) 

あこ

こちらにもおじゃまです!

原作は設定が荒唐無稽ではあるものの、
動きがあり映像化には向いていると結構期待大でしたが。
せめてアシルポアロの出番がほしかったわ~、残念!
by あこ (2014-10-04 15:52) 

Yuseum

あこさん、こちらもコメントありがとございます(^^)
そうですよね。もう少しアクションっぽい感じもあっても、よかったなぁ〜と思います[じーっ]
by Yuseum (2014-10-05 14:32) 

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