7月に買った本 〜たまに本屋へ行ったらくたびれた、の巻〜 [Mystery]
暑いですね
さて、先月クロフツの『フレンチ警視最初の事件』 (創元推理文庫)を買ったと伝えましたが、解説を読むとクロフツのベスト作品にこれ↓がありました。
こんな暑い日には、家でiPad使って、本をネット購入するのが1番です(;´∀`)
おい、タイトルと違うだろヾ(゚Д゚ ) とおっしゃる方、ご安心ください。
(何を安心するのだ(@_@;))
本屋巡りをした話は、後でちゃんと出てきますので
さて、今月はクリスティー文庫の新訳(期間限定カバー)第4弾が出ました(・・||||r
ゴルフ場殺人事件(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 2)
- 作者: アガサ・クリスティー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
牧師館の殺人(クリスティー文庫) (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 35)
- 作者: アガサ・クリスティー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 文庫
今回のカバージャケットのイラストレーターは安西水丸さん。
鳥の絵がどちらも印象的ですね⌒(ё)⌒
クリスティー文庫新訳シリーズの期間限定カバーも、
真鍋博(旧ハヤカワ文庫の装丁)→和田誠→谷口ジロー→安西水丸
と来ました。
最後のトリを努められる方は、いったい誰でしょうか
これは、名探偵ポワロDVDコレクション 2011年 7/26号 [雑誌]にクリスティーと同時代の女流作家が紹介されていたのですが、この人だけ知らなかったんですね。
ジョージェット・ヘイヤーを少し調べると、悪魔公爵の子 (MIRA文庫)とか令嬢ヴェネシア (MIRA文庫)、素晴らしきソフィー (MIRA文庫)、愛の陰影 (MIRA文庫)・・・と「歴史ロマン小説」、今で言うハーレクイン小説の大家なのですが、その気晴らしに書いた本格ミステリ小説も高く評価されたようです。
本書はハナサイド警視が主人公の第1弾、彼女のミステリとしては日本初紹介です。
名探偵ポワロDVDコレクション 2011年 7/26号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: デアゴスティーニ・ジャパン
- 発売日: 2011/06/28
- メディア: 雑誌
ところで、名探偵ポワロDVDコレクション 2011年 7/26号 [雑誌]にはクリステイー以外の女性推理作家として、
- ナイオ・マーシュ
- ドロシー・L・セイヤーズ
- パトリシア・ウェントワース
- ジョージェット・ヘイヤー
- マージェリー・アリンガム
- ジョゼフィン・テイ
が紹介されていました。
この中で、パトリシア・ウェントワースは日本で紹介された作品が1作しかない、不遇な作家。
『ブレイディング・コレクション』 (論創海外ミステリ)、面白かったんだけどなあ(´ε`;)ウーン…
テイは作品数が少ないこともあり、ほぼ日本に紹介されていますし、セイヤーズも代表作はほぼ翻訳されています。
アリンガムはもう少し、作品を翻訳してほしいですけれどね。
マーシュはもっとさらに翻訳してほしいのですが、マーシュ、売れないようで・・・。
さて、先月クロフツの『フレンチ警視最初の事件』 (創元推理文庫)を買ったと伝えましたが、解説を読むとクロフツのベスト作品にこれ↓がありました。
暗い鏡の中に -Through a Glass, Darkly- [Mystery]
買ってすぐに読みました。
Yuseumにしては、速く読めたと思います。
ブレアトン女子学院に勤めて5週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。彼女への仕打ちに憤慨した同僚ギゼラと、その恋人の精神科医ウィリング博士が調査して明らかになった"原因"は、想像を絶するものであった。博士は困惑しながらも謎の解明に挑むが、その矢先に学院で死者が出てしまう・・・。
いやあ、何とも言えないこの読後感(°0°)
訳者の駒月さん曰く、「霊妙な終わり方」が実にいいです
この長編には、元になる短編があって、英題は同じですが、下の短編集に『鏡もて見るごとく』という名で収録されています。
そもそも、"Through a Glass, Darkly"という言葉は聖書から取られたもので、キリスト教徒ならすぐにピンと来る有名な一説のようです。
(その辺は本棚の中の骸骨の中のコラム「鏡の中におぼろに」に詳しく書かれています。)
まあ、この作品は長らく絶版だったとはいえ、結構有名な作品なので、ネット等で調べると上のあらすじにある"原因"がすぐに分かっちゃうのですが、このブログは一応ネタバレはしない建前(でも、ネタバレしてしまうかも。。。注意ね)なので、ある「オカルト現象」としておきましょう。
短編と長編の大雑把な違いは次の通りです。
1.短編にはギゼラが出てこない。
2.短編では女学院内での死者、つまり「第1の事件」は出てこない。
3.「第2の事件」(短編では、これが最初の事件に相当)で用いられるトリックが、短編では「そのものズバリ」な物を利用しているのに対し、長編では「それらしき効果を発揮しそう」な物と考えられている。
4.「第2の事件」について、短編では犯人と目される人物にアリバイが用意されているが、長編ではアリバイがない
5.ベイジルが示した「犯人」について、短編ではほぼ自供したような形になっているのに対し、長編では「犯人」は自説を繰り広げて、犯行を認めない。
1.は重要です。
だって、ギゼラが出てこないと、ベイジルの唐突のプロポーズが見られないからw
ま、それはともかく、アメリカ育ちのためか現代科学に絶対の信頼を置いているベイジル・ウィリング博士と、文明の革命を幾度も経験しているヨーロッパ育ちのため、科学で説明できないオカルト的な事象にも寛容なギゼラの、一連の事件に対する捉え方の違いは物語に深みを与えています。
そして、これら1〜5の違いにより、短編の『鏡もて見るごとく』は本格推理小説として完結しているのに対し、長編の『暗い鏡の中に』は霊妙なエンディングを迎えることになるのです。
5〜6月の読書備忘録 [Mystery]
今日は調子がまあまあいいから、ブログを書こう!!Σс(゚Д゚с
後半は、この2ヶ月で読んだ本。
まず、最近買った本。
出版が少し遅れていた「クリスティー文庫新訳シリーズ」第3弾のもう1冊を買いました。
こちらの挿絵も、前回と同じく谷口ジローさんです。
谷口さんと言えば、ついこの前、フランスの芸術文化勲章(シュヴァリエ章)を授賞されていましたね
早川書房もまさにグッドタイミングですね!
おめでとうございます(=^0^=)
もう1冊は、論創海外ミステリ。
「ホームズのライヴァルたち」第5弾は、江戸川乱歩の「怪人二十面相」のモデルとも言われている、元怪盗の名探偵。
「クイーンの定員」に収められた短編集が出るのかと思っていたら、それを連作長編化した方が出版されたんですね。
その辺りも興味深いです。
あっ、もう1冊買ったのを忘れていましたΣ(´∀`;)
一般書店では販売していないのですが、同人誌ROMのROM叢書の第3巻
『死はあまりにも早く』Too Soon to Die(ヘンリー・ウェイド)
を買ったのでした。
ヘンリー・ウェイドのプール警部シリーズは、一般書籍では国書刊行会の『警察官よ汝を守れ』 世界探偵小説全集(34)が訳されているに過ぎませんが、他にも「翻訳道楽」で短編を読むことができます。
続いて、今後買う予定の本。
来たよ、来たよ、長らく絶版だったヘレン・マクロイの代表作が(o゜▽゜)
実は、Yuseum。
『暗い鏡の中に』 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)を、その昔、古書で円で買ったのですが、全然後悔していません(・u・)>
ちょっとね、本の状態があまりよくないので、パラパラ見てみただけで(笑)
ちなみに、ストーリーは短編集「歌うダイアモンド」 (晶文社ミステリ)に収録されている、『鏡もて見るごとく』Through a Glass, Darklyを膨らませた形になっています。
プロットはそのままのようですが、ラストが違うようです。
主人公ベイジル・ウィリングの妻となるギゼラも登場しますし、今から読むのが((o(´∀`)o))ワクワク
これも長らく絶版だった本ですね。
フレンチ警部が警視に昇格したんですか〜( ´ー`)y-~~
何気にYuseumの本棚にはフレンチ警部シリーズが蓄積されつつあります。
そんなに読んでいないのに
あとは、7月に出るクリスティー文庫の新訳シリーズ第4弾が楽しみですね。
期間限定カバーがどうなるか(笑)
『ゴルフ場殺人事件』と『牧師館の殺人』のようですけれど、特に『ゴルフ場殺人事件』は過去のハヤカワ文庫版では、若干短い抄訳だったので、その辺がどうなったか気になりますね。
後半は、この2ヶ月で読んだ本。
といっても、5〜6月はYuseumの気力がだったので、4月後半から5月上旬に一気に読んだのですけれどね。
嘘は刻む [Mystery]
・・・そうか、もう4年前の話か( ´−`)
この記事にも書いてあるように、最初に記された、
「読者へのささやかな道案内」
がネタバレなんじゃないのと思った、エリザベス・フェラーズの『嘘を刻む』。
一応、先入観なしに読みたかったので、そこに書かれていた内容を忘却の彼方に押しやるのに、4年間かかったわけですσ(^◇^;)
ま、結局大きなネタバレはしていませんでしたが。>「読者へのささやかな道案内」
(そりゃ、そうだ(・・)(。。))
で、読み始めた『嘘は刻む』ですが、前半部は読みにくかった。
作品のトーンが暗いんですね。
同じフェラーズの「トビー&ジョージ」シリーズのような、ユーモア・ミステリ的なものがないので、少々戸惑い(((( ;゚д゚))))アワワワワ
主人公の女友達が、主人公を信じているにも関わらず、この本のタイトル通りに嘘をつくのに、(#゚Д゚)y-~~イライラ
とあるイギリスの田舎町。狂った時計が溢れかえった部屋で有名な家具デザイナーが殺される。周囲の人々は嘘の鎧で身を固め、決して本音を明かそうとしない。。。
しかし、読み進めるにつれて、なぜ嘘をつくのかが分かった後は、だんだん面白くなり、一気に読めました\(^O^)/
いわゆる、Yuseumが女心を理解していなかっただけの話で(;´∀`)
で、これは「英国本格ミステリ」です。
正直やられましたァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
ここで使われているトリックというか、プロットは有名なものですが、まんまと騙されました(_ _。)/~~
しかも、家具デザイナーが殺された「動機」が・・・(@_@;)
さすが、エリザベス・フェラーズ。
で、星4つ★★★★。
ま、主人公が解決を導くきっかけになった部分は、今の日本ではちょっと分かりにくいかもしれないけれど、ちゃんと読んでいれば犯人は当てられると思います。
彼女の作品はほとんど未訳ですが、こういう面白い作品を読むと、別の作品を読みたくなりますヾ(≧∇≦)
最近の海外古典ミステリ、あれこれ [Mystery]
最近、twitterでつぶやいたことを少し整理(;^^)ヘ..
最近復刊したものを、次に。
映像では、ロシア(ソ連)のホームズに注目
まずは近刊から。
来たよ、ロジャー・シェリンガム最後の事件(n‘∀‘)η ヤァーッホォー
友人の招きで絶海の孤島にある館へ招待されたシェリンガム一行。最初は和やかだったものの、その友人が「このなかに、殺人者がいる」と発してからは・・・。
と、まるでクリスティーの『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせるような出だしですが、、、たぶんそういう展開にはならないのでしょうね(;´∀`)
この作品は、「バークリーの失敗作」として有名なので、その点でも楽しみですw
あと、今月下旬には国書刊行会より、ロバート・バーの短編集「ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利」が刊行予定。
『放心家組合』(今回の訳では、『うっかり屋共同組合』)は各アンソロジーに収録されており、本短編集はクイーンの定員にも選ばれています。
最近復刊したものを、次に。
毎年復刊しているクロフツ作品ですが、今年はこれでした。
ブックカバーが変更されていますね(^_^)3
『フレンチ警部と毒蛇の謎』と同じデザインだから、今後はこのデザインでカバーを統一するのかな?
あと、これ↓も復刊しました。
映像では、ロシア(ソ連)のホームズに注目
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険 2枚組 (初回限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: アルトアーツ
- メディア: DVD
この作品は、『チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン』(『犯人は二人』)、『最後の事件』、『空き家の冒険』を映像化したそうです。
いやぁ、楽しみ((o(´∀`)o))ワクワク
このシリーズ。通常版(廉価版)も出ています。
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険 バスカヴィル家の犬(通常版) [DVD]
- 出版社/メーカー: アルトアーツ
- メディア: DVD